幕が開く瞬間
来月から始まる今年のえび座を前に
去年のABC座2015を振り返ってみる。
日生劇場という、コンサート会場に比べたら狭すぎるくらいの会場。私にとって初めてのABC座。その日の記憶は今も忘れられないです。
1階席後列どセンターど真ん中。なかなか見やすいお席で幕が開くのを待っていた。コンサートとは違った、独特な雰囲気。始まりの合図とともに会場が静まり返る新鮮な感覚。幕が開くと、キラキラしたステージの上で光り輝く5つの星。恥ずかしながら、私にとって、初めて自分の目で観る5人の舞台。幕が上がったその瞬間、眩しすぎて、美しすぎて、この時点でもう涙がこぼれてきた。
センターのお席で双眼鏡を構えると、舞台上の彼らと目が合っている錯覚に陥るんです。戸塚くんがステージのセンターに立って客席に向かって言葉を発してる時、双眼鏡越しに目が合っているんですよね。(ただの錯覚)その時の彼の目力、眼差しといったら。完全に心の中全部持ってかれた感覚でした。俺から目をそらすなよと言わんばかりの目力。双眼鏡越しに見ていた私は、その目力に耐えられなくなった。そして構えていた双眼鏡を静かに下ろしてしまった。完全なる乙女モードに入ってしまった。直視できないくらい。帰りの新幹線では、食欲もなくなるくらい、彼のあの眼差しを思い出すだけで胸がチクチクしてご飯が喉を通らなかった。
目力。目力と言えば、彼は目で演技をすることがとても秀でていると思うんですよね。
去年の夏に放送されていた『癒し屋キリコの約束』
このドラマでの戸塚くんの『目』はすごく印象的だった。
涼がキリコを襲おうとするシーン。彼は少年の目をしていた。戸塚祥太ではなく、完全に上山涼になっていた。どこか幼くて、でも芯が通った大人な目。でもそこから溢れてくる涙に、気づいたら私も涙が溢れていた。
あんなに綺麗な目を、綺麗な涙を初めて観た気がした。
俳優・戸塚祥太を、この先もいろんな場面で観ていきたいと思う。
そして幕が開く瞬間のあのなんとも言えない感覚を、これからもずっと。